焚き火 と
薪ストーブ
ガキの頃から近くの河原や海辺の砂浜で
「焚き火」を繰り返していた。ポケットに
いつもマッチを忍ばせる悪ガキは小中高、
そして美術学校はもちろん社会人になっても
その「火遊び癖」はヤメられず、あらゆる
趣味や仕事においても「火付け役」を楽しんだ。
「火遊び」を重ね、たどり着いた新たな世界…
profile
伊東孝志Text & Illustration by ITO TAKASHI
奄美大島生まれの小学58年生。ヤドカリを人生の
師と仰ぎ、筆先に北斎を見つめ水彩の楽描きを糧
とし、古今・東西南北の日々を漂流する。国を治
める「長」として、己の健康状態を国民にはもち
ろん諸外国に対しても「国防」の意味で、直ちに
公表しないのがかの武田信玄・的常識と思うが、
「アベのマスク野郎」は検査入院と退院のシーン
をわざわざ御用メディアたちを病院・出入り口に
待機させ病弱ぶる映像を巷に流し~ワタシ病気デ
ス~と同情押し付け、ガキでも解るパフォーマン
ス猿芝居…モリ・カケ・サクラを始めとする悪行
愚政策や諸問題疑惑に対して、八方塞がりからの
またしても敵前逃亡~ナンと逃げ足の早い奴だ!
世が世なら市中引き回しのうえ磔・獄門・晒し首
の極刑だぜ!いま何処の穴に隠れているのかナ?
を吸うかたわら、彼の仕事着ポケットや部屋
の机まわりには常にマッチが転がっていた。
昭和30~40年代の彼らが出入りする奄美
大島・名瀬(ナセ)の町の居酒屋やキャバレー
では電話番号の書かれた小さなマッチ箱が、
広告や連絡手段として配られ、タバコとセッ
トで使用されるムラサキやピンク色の大人の
臭いのするピンキーなマッチには、単純な線
で裸の女性のボディーラインのイラストと、
その横には~スナックキャバレー♥︎ママ~と
わけの分からないカタカナ文字が書かれてい
た。そんないかがわしい大人のマッチをコッ
ソリとチョロまかす、たくましい悪ガキの数
人は、ズボンの穴の空いたポケットにいつも
「火付け道具」を忍ばせていたのだった。
小学生下校途中の道草で集まる近所の悪ガ
キどもは、河原の草むら・秘密基地で、途中
の道や河原で拾ったボロボロのエロ本や空き
缶など遊べるものを持ち寄り、川の水たまり
で泳ぎ陽の暮れるまで遊び呆け、そして乾い
た流木を拾い集め新聞紙や紙切れなどで火を
熾し、みんなで「焚き火」の火遊びに興じる
のである。しかしなぜだかエロ本だけは燃や
されること無く基地の床に敷かれたダンボー
ル下で穴が空くまで大切にされるのだった。
幾つになってもマッチと離れることができ
ないでいる火遊び中毒な悪ガキは、社会人に
なった今でもカバンやポケットにマッチを常
に忍ばせている。「古くからの友だち」を失
くす感がして… 別れがツラいのである。
をきっかけにグラフィックデザイナー、イラ
ストレーター、アートディレクターの道を駆
抜けた悪ガキも気がつけばいつの間にか小学
58年生になっていた。今では生来の夢だった
「漫画家」~4コマ漫画家~になっている。
オフロードバイクXT500で関東近辺の林道
や、筑波サーキットをバリバリ改造チューン
ナップしたSR500をセパハンでブッ飛ばし、
中古のハイエースにキャンプ道具をこれでも
かと詰め込み、某モノ雑誌の編集部員数人を
連れて関東近辺のキャンプ場や野山そして浜
辺を走り回り、ありとあらゆるフィールドで
キャンプ野宿を重ね「焚き火」を遊んだ。
出版社を脱走しフリーになってからはミニ
クーパーに乗り換え、家族3人でこれまた関
東近辺のあらゆる野山で「焚き火」を燃やし
続けた。某アウトドア雑誌を創刊してからは
シーカヤックにハマり無人島への海原を単独
で漕ぎまくった。そして母の病床を機に何か
あればすぐ戻れるようにと、沖縄に居を移し
南海の島々を漕ぎ航るうちに琉球帆漕木造船
サバニと出会い、座間味~沖縄本島のサバニ
レース参戦をきっかけにサバニによる海旅を
くり返す。その結果、与那国から西表・石垣
・多良間・宮古・池間の八重山の島々を仲間
と漕ぎまくり、最後は沖縄・本部港から奄美
諸島の各島々、そして奄美からトカラ列島の
宝島を一気に漕ぎ渡りトカラの島々を渡って
最終・日南の油津港へ。そして我が先祖の故
郷・飫肥(オビ)の里へとたどり着いたのだ。
あらゆるフィールドで「焚き火」をくり返
し燃やし続けた結果、ポケットにマッチを忍
ばせる「火遊び小僧」は、やがて日本一標高
のたかい集落・長野県川上村に住むアウトド
物心ついてから「焚き火」を燃やし続けて、はや58年
Cold Mountainの魂と共に、薪ストーブは燃え続ける
テスト用紙表面の問題は5分で片付け、裏面に残りの25分をかけて
漫画や落書きを描きまくる悪ガキの、学期ごとの通信簿にはいつも
「落ち着きが無く、少し静かに勉学に集中しましょう。」と書かれ
ていた。教師の忠告をモノともせず、大好きな漫画や落書きを描き
つづけ「焚き火」と遊んでいたら「アウトドアライブ入門」と出会
い、いつの間にかその著者と共に「時代の未来」を駆抜けていた。
その学びと教えは魂となり、いま体と心のなかで燃え続けている。
2020年発売 Fielder 53号連載
参照されたし
~注意*文字・色校正紙.pdf につき誤字脱字あり*お許しあれ~
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フィールダー54号/連載vol.36 焚き火と 薪ストーブ
レイアウト・イメージ デザイン・ラフ