2020年8月22日土曜日

自由への脱走

 

ああァ~パソコンや机の前でデザインや
絵ばかり描いていると、10日間程どこかへ
脱走したくなる。映画の「大脱走」や
「パピヨン」のスティーブ・マックイーン、
ダスティン・ホフマン~ドガのように
「バカ野郎、オレは 生きてるゼェ~!」と、
空に向かって叫びてェ~ 
 
profile
 
伊東孝志
Text & Illustration by ITO TAKASHI 
 
奄美大島生まれの小学57年生。ヤドカリを人生の師と
仰ぎ、筆先に北斎を見つめ水彩の楽描きを糧とし古今
東西南北の日々を漂流する。新たなシーカヤック・デル
フィーナ159を手に入れ、いま新たな旅ヘと漕ぎ出す。
海青く、空には白き雲が流れ、久々に潮風に吹かれて
25年前にカヤック・ベルーガと共に大海原・青の世界
へと始めて舟出したあの「感動」が、今よみがえる。
 
 
  ある出来事でソロのシーカヤッキングを2年
間もの長い間止められていた。とはいえ我慢出
来ず実はカミさんには内緒でコッソリと密かに
スキあらば漕ぎまくっていたのだが、2年解禁
少し前にアルことでお許しがでた。     
 彼女に言わせれば、暴漕する私を見守る人が
付き添いすれば良いらしい。昔から親に「鉄砲
弾タカシ」と呼ばれ、土日祭日は一度家を出る
と暗くなるまで外で遊び呆けていた小学57年生
である。その性格の迷いは還暦過ぎた今でも1
ミリの狂いも無い。            

  堂々とカヤックに乗れないので、コッソリと
シーカヤック関連のウェブサイトを覗いていた
ら、千葉・鴨川にあるパドル・ウエーブ&トリ
ップ・ショップ[Cetus/セタス]のオーナー羽鞍
太(はくらふとし)こと笠原清孝がいつのまにか
笠原サタン清孝に氏名(うじな)を変えていた。

 フェザークラフト社もフォールディング・カ
ヤック制作販売を終え、時代は常に変化するの
は当たり前だが、羽鞍太=フェザークラフトの
洒落ッ気が私としてはお気に入りだったのでほ
んの少し残念である。それに笠原サタン清孝は
氏名としては長ったらしいので、サタン笠原と
           個人的に呼ぶことにした。

 ショップ・セタスのウェブサイト、カヤック
コーナー覗けば、なんと日本で唯一のフォール
ディング・カヤックの老舗「フジタカヌー」と
コラボして新しくシーカヤック「デルフィーナ
           ・シリーズ」をデビューさせていた。
 仕事そっちのけでウェブサイトのレポートを
読み、写真の隅々をド拡大して覗き込み、ある
確信を持った私はサタン笠原にさっそく連絡を
とり、幾つかの質問の後その日のうちに真っ白
 い「デルフィーナ159」を発注かけたのだった。
 
 (敬称略)

 以下
2019年発売 Fielder48号 連載
参照されたし

〜注意*文字・色校正紙.pdf につき誤字脱字あり*お許しあれ〜

無人島の漂着物は宝の山、釣り針セットをはじめ
シャネルなグラサンもゲットできる
    
浜辺のタイドラインには、漁具をはじめいろんな漂流物が打ち上げ
られている。絡んだロープ類から釣り具部分を取り出し「より戻し」
を手に入れた。ゴミと決めつけず「天からの贈り物」と想えばこれ
はこれでありがたいこと。それにしても釣り具類・漂着物のなんと
多い事。釣り糸はもちろん釣り針さえも1ヶ月ほどしたら自然に還
る天然素材に出来んンかね、シマノ君、東レ、ダイワ君たち…  
そして釣り人・遠ちゃん! お願いしますよ、良きミライを。  
 
浜辺を歩くとサングラスのフレームと左目のレンズが落ちていた。
割れたフレームにレンズを充てるとパチッとハマる。今回のカヤッ
ク・パドリングには、うっかりグラサンを車に置き忘れていたので
これ幸い「〜はめて使いなさい〜」との天からのお告げ、ある物で
修理して使うことにしたのだった。              


 自由を求め脱出するマックイーンに
エールを送るドガの温かい眼差し


名作「パピヨン」のラストシーンでマックイーン
が無人島の断崖上に残るD.ホフマンのドガに向か
って「バカ野郎、オレは生きてるゼェ~!」と叫
ぶあの名セリフが忘れられない。彼を見送るドガ
のセリフ無し名演技に壊れたメガネと涙が輝く。

 

 

 

上杉鷹山公が子息に伝えし教訓 
「成せば成る 成さねばならぬ何事も 成らぬは人の 成さぬなりけり」 
かな?

 


フィールダー48号/連載 vol.30 自由への脱走
 
レイアウト・イメージ デザイン・ラフ

 

 

 

 

 






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