2020年8月29日土曜日

続・自由への脱走

 

日々の仕事そっちのけで気ままな
フリーランス人生。約束された収入や
人間性を失う満員電車にもまれること無く
目覚めたときが生きることの始まり。
それでも数少ない仕事の〆切はやって来る。
ひと仕事終え、その束縛からの解放と
自分らしく生きるため、独り無人島へと
脱走を繰り返す。時には友に声をかけて…

profile

伊東孝志
Text & Illustration by ITO TAKASHI

奄美大島生まれの小学58年生。ヤドカリを人生の師と
仰ぎ、筆先に北斎を見つめ水彩の楽描きを糧とし古今
東西南北の日々を漂流する。明日よりも今日を楽しむ
ことを実践し「毎日がお正月」をモットーに「日々の
暮らしが仕事、仕事が暮らし」を生きている。ボロボ
ロ短パン・アロハに島ゾーリでその日暮らしな毎日な
ので、ネコとカニ・ヤドカリと戯れ過ぎて、貧乏ヒマ
ばかりな「南国お気楽生活」を送っている~らしい。

 

 

 暗闇の中、ガサゴソがさゴソと何かが音をた
て、その違和感にふと目が覚める。
 ここは、とある南の島の無人島。闇の中しば
らくガサゴソの主が何かを考えた。    

 枕元のペンライトを点け時計見ればなんと真
夜中3時。モスキート・ネット足元向こうのガ
サゴソ音する方向・焚き火カマド辺りに明り照
らせば、何と浜ガニ(シオマネキ?ツノメガニ)
大小数十匹がキャンプ・サイトあちらコチラに
群れなして歩き回っているのだった。

 子供の握りコブシぐらいのデカいカニ数匹が
ライトの光を気にしてか、アンテナ状の赤い目
でコチラの様子をうかがっている。どうやら我
々はカニたちの楽園にベースキャンプを設営し
たらしい。

 前号、この連載記事で少し書いたが、新しい
フォールディング・カヤックを手に入れ新たな
旅を目指し、舟の開発者・サタン笠原と二人で
南國・琉球のとある無人島へとテスト・パドリ
ングを兼ね、俗世からしばし脱走したのだった。


 カヤックの詳しいことは次なる項にて説明す
るとして、まずは大嘘・隠蔽はびこるウソくさ
い巷を抜け出し、何モノにも束縛されない自由
な場所で、明日からのカヤック旅を中心とした
楽しいミライを話し合い、いい加減な人生をリ
セットし、そのいい加減さをさらに加速させ、
これまでの互いの経験から得た「遊びの哲学」
を再確認して、新たな目標を見定めるための
無人島・秘密基地ミーティングなのである。

 ここ無人島では、テレビ業界はびこるヨシモ
ト・ナンとかのこれといった芸無し電波芸者た
ちの笑えないバラエティ番組や、アホ面さらし
てタダ飯食らうくだらない旅番組など見てイラ
つくことも無い。ましてや時の政権に忖度いち
じるしい多くのテレビ局が流すニュースや報道
番組、そして原発電力企業と結託し業界牛耳る
ブラック企業・電通のプロパガンダ情報など雑
音の類いは、ラッキーなことに我々の耳には、
いっさい届かないのだ。


 聞こえるのは、浜辺に打ち寄せるリズミカル
な波の音と、時おり吹く風に揺れる樹々のざわ
めき、そして忘れた頃に通り過ぎるスコールの
タープやテントをたたく雨音。そして遠くに
聞こえる海鳥や野鳥たちの鳴き声のみ…
あァ~なんと清々しいことか。

(敬称略)


以下、
2019年発売 Fielder49号連載
参照されたし

 ~注意*文字・色校正紙.pdf につき誤字脱字あり*お許しあれ~

 

以下 今回の
フィールダー48号/連載 vol.31 続・自由への脱走 

レイアウト・イメージ デザイン・ラフ


 

 

 

 

 

 

 


2020年8月22日土曜日

自由への脱走

 

ああァ~パソコンや机の前でデザインや
絵ばかり描いていると、10日間程どこかへ
脱走したくなる。映画の「大脱走」や
「パピヨン」のスティーブ・マックイーン、
ダスティン・ホフマン~ドガのように
「バカ野郎、オレは 生きてるゼェ~!」と、
空に向かって叫びてェ~ 
 
profile
 
伊東孝志
Text & Illustration by ITO TAKASHI 
 
奄美大島生まれの小学57年生。ヤドカリを人生の師と
仰ぎ、筆先に北斎を見つめ水彩の楽描きを糧とし古今
東西南北の日々を漂流する。新たなシーカヤック・デル
フィーナ159を手に入れ、いま新たな旅ヘと漕ぎ出す。
海青く、空には白き雲が流れ、久々に潮風に吹かれて
25年前にカヤック・ベルーガと共に大海原・青の世界
へと始めて舟出したあの「感動」が、今よみがえる。
 
 
  ある出来事でソロのシーカヤッキングを2年
間もの長い間止められていた。とはいえ我慢出
来ず実はカミさんには内緒でコッソリと密かに
スキあらば漕ぎまくっていたのだが、2年解禁
少し前にアルことでお許しがでた。     
 彼女に言わせれば、暴漕する私を見守る人が
付き添いすれば良いらしい。昔から親に「鉄砲
弾タカシ」と呼ばれ、土日祭日は一度家を出る
と暗くなるまで外で遊び呆けていた小学57年生
である。その性格の迷いは還暦過ぎた今でも1
ミリの狂いも無い。            

  堂々とカヤックに乗れないので、コッソリと
シーカヤック関連のウェブサイトを覗いていた
ら、千葉・鴨川にあるパドル・ウエーブ&トリ
ップ・ショップ[Cetus/セタス]のオーナー羽鞍
太(はくらふとし)こと笠原清孝がいつのまにか
笠原サタン清孝に氏名(うじな)を変えていた。

 フェザークラフト社もフォールディング・カ
ヤック制作販売を終え、時代は常に変化するの
は当たり前だが、羽鞍太=フェザークラフトの
洒落ッ気が私としてはお気に入りだったのでほ
んの少し残念である。それに笠原サタン清孝は
氏名としては長ったらしいので、サタン笠原と
           個人的に呼ぶことにした。

 ショップ・セタスのウェブサイト、カヤック
コーナー覗けば、なんと日本で唯一のフォール
ディング・カヤックの老舗「フジタカヌー」と
コラボして新しくシーカヤック「デルフィーナ
           ・シリーズ」をデビューさせていた。
 仕事そっちのけでウェブサイトのレポートを
読み、写真の隅々をド拡大して覗き込み、ある
確信を持った私はサタン笠原にさっそく連絡を
とり、幾つかの質問の後その日のうちに真っ白
 い「デルフィーナ159」を発注かけたのだった。
 
 (敬称略)

 以下
2019年発売 Fielder48号 連載
参照されたし

〜注意*文字・色校正紙.pdf につき誤字脱字あり*お許しあれ〜

無人島の漂着物は宝の山、釣り針セットをはじめ
シャネルなグラサンもゲットできる
    
浜辺のタイドラインには、漁具をはじめいろんな漂流物が打ち上げ
られている。絡んだロープ類から釣り具部分を取り出し「より戻し」
を手に入れた。ゴミと決めつけず「天からの贈り物」と想えばこれ
はこれでありがたいこと。それにしても釣り具類・漂着物のなんと
多い事。釣り糸はもちろん釣り針さえも1ヶ月ほどしたら自然に還
る天然素材に出来んンかね、シマノ君、東レ、ダイワ君たち…  
そして釣り人・遠ちゃん! お願いしますよ、良きミライを。  
 
浜辺を歩くとサングラスのフレームと左目のレンズが落ちていた。
割れたフレームにレンズを充てるとパチッとハマる。今回のカヤッ
ク・パドリングには、うっかりグラサンを車に置き忘れていたので
これ幸い「〜はめて使いなさい〜」との天からのお告げ、ある物で
修理して使うことにしたのだった。              


 自由を求め脱出するマックイーンに
エールを送るドガの温かい眼差し


名作「パピヨン」のラストシーンでマックイーン
が無人島の断崖上に残るD.ホフマンのドガに向か
って「バカ野郎、オレは生きてるゼェ~!」と叫
ぶあの名セリフが忘れられない。彼を見送るドガ
のセリフ無し名演技に壊れたメガネと涙が輝く。

 

 

 

上杉鷹山公が子息に伝えし教訓 
「成せば成る 成さねばならぬ何事も 成らぬは人の 成さぬなりけり」 
かな?

 


フィールダー48号/連載 vol.30 自由への脱走
 
レイアウト・イメージ デザイン・ラフ