2021年7月15日木曜日

焚き火と薪ストーブ


 

焚き火 と
薪ストーブ

ガキの頃から近くの河原や海辺の砂浜で
「焚き火」を繰り返していた。ポケットに
いつもマッチを忍ばせる悪ガキは小中高、
そして美術学校はもちろん社会人になっても
その「火遊び癖」はヤメられず、あらゆる
趣味や仕事においても「火付け役」を楽しんだ。
「火遊び」を重ね、たどり着いた新たな世界…

 

 profile

 
伊東孝志 

Text & Illustration by ITO TAKASHI

 
奄美大島生まれの小学58年生。ヤドカリを人生の
師と仰ぎ、筆先に北斎を見つめ水彩の楽描きを糧
とし、古今・東西南北の日々を漂流する。国を治
める「長」として、己の健康状態を国民にはもち
ろん諸外国に対しても「国防」の意味で、直ちに
公表しないのがかの武田信玄・的常識と思うが、
「アベのマスク野郎」は検査入院と退院のシーン
をわざわざ御用メディアたちを病院・出入り口に
待機させ病弱ぶる映像を巷に流し~ワタシ病気デ
ス~と同情押し付け、ガキでも解るパフォーマン
ス猿芝居…モリ・カケ・サクラを始めとする悪行
愚政策や諸問題疑惑に対して、八方塞がりからの
またしても敵前逃亡~ナンと逃げ足の早い奴だ!
世が世なら市中引き回しのうえ磔・獄門・晒し首
の極刑だぜ!いま何処の穴に隠れているのかナ?

 昭和元年生まれの県職員だった父はタバコ
を吸うかたわら、彼の仕事着ポケットや部屋
の机まわりには常にマッチが転がっていた。
 昭和30~40年代の彼らが出入りする奄美
大島・名瀬(ナセ)の町の居酒屋やキャバレー
では電話番号の書かれた小さなマッチ箱が、
広告や連絡手段として配られ、タバコとセッ
トで使用されるムラサキやピンク色の大人の
臭いのするピンキーなマッチには、単純な線
で裸の女性のボディーラインのイラストと、
その横には~スナックキャバレー♥︎ママ~と
わけの分からないカタカナ文字が書かれてい
た。そんないかがわしい大人のマッチをコッ
ソリとチョロまかす、たくましい悪ガキの数
人は、ズボンの穴の空いたポケットにいつも
「火付け道具」を忍ばせていたのだった。
 小学生下校途中の道草で集まる近所の悪ガ
キどもは、河原の草むら・秘密基地で、途中
の道や河原で拾ったボロボロのエロ本や空き
缶など遊べるものを持ち寄り、川の水たまり
で泳ぎ陽の暮れるまで遊び呆け、そして乾い
た流木を拾い集め新聞紙や紙切れなどで火を
熾し、みんなで「焚き火」の火遊びに興じる
のである。しかしなぜだかエロ本だけは燃や
されること無く基地の床に敷かれたダンボー
ル下で穴が空くまで大切にされるのだった。 
 幾つになってもマッチと離れることができ
ないでいる火遊び中毒な悪ガキは、社会人に
なった今でもカバンやポケットにマッチを常
に忍ばせている。「古くからの友だち」を失
くす感がして… 別れがツラいのである。

 学業を終え、社会人となりデザイン事務所
をきっかけにグラフィックデザイナー、イラ
ストレーター、アートディレクターの道を駆
抜けた悪ガキも気がつけばいつの間にか小学
58年生になっていた。今では生来の夢だった
「漫画家」~4コマ漫画家~になっている。
 オフロードバイクXT500で関東近辺の林道
や、筑波サーキットをバリバリ改造チューン
ナップしたSR500をセパハンでブッ飛ばし、
中古のハイエースにキャンプ道具をこれでも
かと詰め込み、某モノ雑誌の編集部員数人を
連れて関東近辺のキャンプ場や野山そして浜
辺を走り回り、ありとあらゆるフィールドで
キャンプ野宿を重ね「焚き火」を遊んだ。
 出版社を脱走しフリーになってからはミニ
クーパーに乗り換え、家族3人でこれまた関
東近辺のあらゆる野山で「焚き火」を燃やし
続けた。某アウトドア雑誌を創刊してからは
シーカヤックにハマり無人島への海原を単独
で漕ぎまくった。そして母の病床を機に何か
あればすぐ戻れるようにと、沖縄に居を移し
南海の島々を漕ぎ航るうちに琉球帆漕木造船
サバニと出会い、座間味~沖縄本島のサバニ
レース参戦をきっかけにサバニによる海旅を
くり返す。その結果、与那国から西表・石垣
・多良間・宮古・池間の八重山の島々を仲間
と漕ぎまくり、最後は沖縄・本部港から奄美
諸島の各島々、そして奄美からトカラ列島の
宝島を一気に漕ぎ渡りトカラの島々を渡って
最終・日南の油津港へ。そして我が先祖の故
郷・飫肥(オビ)の里へとたどり着いたのだ。
 あらゆるフィールドで「焚き火」をくり返
し燃やし続けた結果、ポケットにマッチを忍
ばせる「火遊び小僧」は、やがて日本一標高
のたかい集落・長野県川上村に住むアウトド
ア・ライフの Cold Mountain 賢者との出会い
により、新たな「薪ストーブ」の世界ヘと
導かれるのだった。          
         
 物心ついてから「焚き火」を燃やし続けて、はや58年
Cold Mountainの魂と共に、薪ストーブは燃え続ける


テスト用紙表面の問題は5分で片付け、裏面に残りの25分をかけて
漫画や落書きを描きまくる悪ガキの、学期ごとの通信簿にはいつも
「落ち着きが無く、少し静かに勉学に集中しましょう。」と書かれ
ていた。教師の忠告をモノともせず、大好きな漫画や落書きを描き
つづけ「焚き火」と遊んでいたら「アウトドアライブ入門」と出会
い、いつの間にかその著者と共に「時代の未来」を駆抜けていた。
その学びと教えは魂となり、いま体と心のなかで燃え続けている。


 
 以下、
2020年発売 Fielder 53号連載
参照されたし 
 
~注意*文字・色校正紙.pdf につき誤字脱字あり*お許しあれ~


フィールダー54号/連載vol.36 焚き火と 薪ストーブ
レイアウト・イメージ デザイン・ラフ









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